背任と横領ってどう違うんですか?
割と似ていますよ。
どうしたんですか?
最近ニュースを見ていて、会社のお金を盗んだ人が背任だったり横領だったりしてるなーって思って
なるほど!
確かにこんがらがっちゃう部分ではありますからね!
説明しましょう!
1.背任罪とは
まずは背任罪の条文を見てみましょう!刑法第247条です!
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
簡単に言えば、仕事を任されてる人が、自分や誰かのために、その仕事の役割を悪用して、仕事を任せてくれた人に損害を与える、ということです
損害、というのが大体お金なんでしょうか
ほとんどそうなるはずです。
でもお金の他に、何かの権利だとかも対象になりますよ
ちなみにどんな事件が背任罪になりますか?
考えられるケースをいくつか並べてみますね!
①会社のお金を勝手に使う
会社の社員が、自分のために会社のお金を使ったり、私用で使ったりすることです。
たとえば、会社の資金を使って、自分の趣味のための買い物をする場合です。
②他人の財産を不正に使う
友達から預かっているお金や物を、許可なく自分のために使ってしまうことです。
たとえば、友達から預かったお金を自分の借金に回すような行為です。
③公務員が特別な利益を追求する
公務員が、自分の立場を利用して、特定の人や会社に便宜を図ることです。
例えば、自分の知り合いの会社にだけ仕事を回して利得を得るようなことです。
③の場合、贈収賄も視野に入れることになります。
難しい事件になりますね。
何となく分かりました!
2.横領罪とは
次は横領罪についてです。
刑法第252条第一項です!
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
第二項は、また違う話になるので置いておきます。
ようは、自分が持ってるは他人の物を、自分の物にしちゃうことですね
なるほど
コチラも考えられるケースを並べてみましょう
①会社の金を個人的に使用する
会社の経理担当者が、仕事で管理している会社の金銭を自分の生活費や娯楽に使用する場合です。
この行為は会社のお金を自分のために使っており、明らかに不正な目的で利用しているため、横領罪にあたります。
②顧客から預かった商品を売却する
例えば、修理のために預かった顧客の高価な時計を、そのまま売ってしまう行為です。
本来であれば修理して返すべきものを勝手に処分した場合、顧客の所有物を不正に扱ったこととなり、横領になります。
③共同名義の口座から無断で引き出す
例えば、兄弟やパートナーと共同で所有している銀行口座から、一方が相手の了解を得ずに全額を引き出して私的に使用する場合です。
この場合、口座の一部は相手のものでもあるため、無断使用は不正行為とされます。
自分が持っている他人の物を、自分の物にする
どれもその例ですね
3.その違いは?
何となーく分かったんですけど、まとめるとどう違うんですか?
最後に簡単にまとめますね!
横領罪は、人から預かっている物を盗むこと!
「物の窃取」に関する罪です。
背任罪は、任されてる権利を悪用して利益を得ること!
「権限の不正利用」に関する罪です。
ニュース等で事件を見て、なぜこれが横領罪で、なぜあれが背任罪なのか考える時は、これをポイントに考えるといいでしょう!